「○○神社、○○神宮って聞くけど、何か違いはあるの?」「全国に神社ってどのくらいあるの?」と、疑問に思ったことはありませんか?
神社を訪れる際に、種類や特徴などの違いを知っておくと、自分の教養になるのに加え、また今までとは違った楽しみ方を見つけることができるでしょう。
本記事では「全国にある神社の種類や特徴、それぞれの神社の数」をご紹介します。
神社の種類と数
神社の名前の最後につく「大社」「神宮」などの称号のことを“社号”と言います。格式の高い順だと「神宮>宮>大神宮>大社>神社>社」です。
以下では、社号が持つそれぞれの意味や特徴をご紹介します。
神宮(じんぐう)
全国に24社ある神宮は、とても格式が高い神社につけらる社号です。皇室の祖先神をお祀りしていて、皇室とゆかりの深い由緒ある神社のことです。
全国でも代表的な神宮…
- 伊勢神宮(三重県)
- 明治神宮(東京都)
- 平安神宮(京都府)
- 橿原神宮(奈良県)
- 近江神宮(滋賀県)
- 宇佐神宮(大分県)
宮(みや・ぐう)
神宮と似ていますが、皇族との関係が深い神社の社号です。親王と呼ばれる天皇家の男子をご祭神としています。他には、歴史上の人物をお祀りしています。
全国でも代表的な宮…
- 北野天満宮(京都府):菅原道真を祭神としています
- 日光東照宮(栃木県):徳川家康を祭神としています
大社(たいしゃ)
全国に24社あり、大社はその地域における代表的な神社に使われる社号です。
元は「大社」といえば島根県の「出雲大社」にしか付けられなかったものですが、19世紀末以降、大社と呼ばれる神社が増えてきました。
全国でも代表的な大社は…
- 出雲大社(島根県)
- 春日大社(奈良県)
- 諏訪大社(長野県)
大神宮(だいじんぐう)
伊勢神宮から分勧請(かんじょう)した神をお迎えし、お祀りしている神社の社号です。
全国でも代表的な大神宮…
- 東京大神宮(東京都)
- 高知大神宮(高知県)
勧請とは
神仏の分身を他の地に移して祭ることです。
神社
最も一般的な神社の社号です。全国に約8万8千社ほどあるとされています。神社は特別な基準や条件はなく名乗ることができます。
社(しゃ)
比較的小さな神社に使われる社号です。大きな神社から勧請されている事が多いそうです。
社号が”神社”になっている種類と数
日本は八百万(よおよろず)の神、自然神・神話の神々など多種多様な神様が神社に祀られています。先ほどご紹介したように、全国に約8万8千社ほどある神社を分社数の多い順に数社ご紹介します。
八幡社
全国に約4万社あり、八幡様を祭神として祀られている神社です。八幡神は応神天皇を神格化したもので、農耕人、海の神とされています。
総本社は大分県の宇佐神宮です。有名なのが、鶴岡八幡宮(神奈川県)、石清水八幡宮(京都府)です。
稲荷社
全国に約3万社あり、稲荷神を祭神として祀られている神社です。総本社は京都の伏見稲荷大社で、三大稲荷と呼ばれるのは、伏見稲荷大社(京都府)、笠間稲荷大社(茨城県)、祐徳稲荷神社(佐賀県)ですが、諸説あります。
稲荷は、イネナリ(稲荷)という意味で、稲は一粒の米から沢山の実がなることから農業の他に、商売繁盛の神様としても信仰されています。
天神社(天満宮)
全国に約1万社あり、中でも天満宮は菅原道真を祭神として祀っています。道真が優れた学者であったことから天神は「学問の神様」、「学業の神様」として信仰されています。総本社は福岡県の太宰府天満宮、京都府の北野天満宮です。
諏訪神社
全国に約6,000社あり、建御名方神(たけみなかたのかみ)とその奥さんの八坂刀売神(やさかとめのかみ)を祭神として祀っています。総本社は長野県の諏訪大社で、長野県や新潟県に特に多くあります。農業の守護神、海の守り神として信仰されています。
神明社
全国に約5,000社あり、皇室の祖神、天照大御神を祭神として祀られています。総本社は三重県の伊勢神宮で、神明神社、天祖神社、皇大神社、天祖神社などとも言われています。農耕儀礼と結びついて信仰を集めてきました。
熊野神社
全国に約3万3千社あり、熊野三山と呼ばれ、和歌山県の熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を中心とした神社です。熊野速玉大神(いざなぎのみこと)、熊野夫須美大神(いざなみのみこと)を中心に12柱の神々の熊野権現を祭神として祀られています。
平安時代から皇族や貴族の間で熊野三山をつなぐ熊野古道を経由して参拝するのが流行し「よみがえりの聖地」として信仰を集めました。
春日神社
全国に約3,000社あり、天児屋根命(あめのこやねのみこと)などの4柱の神を祭神として祀られています。総本社は奈良県の春日大社で、皇室から庶民まで幅広く信仰されてきました。春日大社は1994年に古都奈良の文化財の一つとして、世界遺産に登録されました。
八坂神社
全国に約3,000社あり、素戔嗚尊命(すさのおのみこと)が祭神として祀られています。総本社は、京都の八坂神社で「祇園さん」の愛称で親しまれています。平安時代、京の都で疫病が大流行した際にそれを鎮め、以来厄除けの社として信仰されてきました。
白山神社
全国に約2,700社あり、富士山、立山、白山の三霊山と言われる神を祀られている神社です。総本社は、石川県の白山比咩神社で、特に白山の近くの岐阜県、石川県、そして新潟県、静岡県に多く見られます。
住吉神社
全国に約2,100社あり、住吉三神と言われる、底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(おわつつのおのみこと)が祭神として祀られている神社です。総本社は、大阪府の住吉大社です。海の神、航海の神として信仰されてきました。
日吉神社
全国に約2,000社あり、大山咋神(おおやまくいのかみ)や大国主神(おおくにぬしのかみ)が祭神として祀られています。総本社は、滋賀県の日吉大社で、日吉神社、日枝神社、山王神社などの社名が使われます。「山王」とは霊山を守る神霊のことで、ここでは大山咋神を言います。
金毘羅神社
全国に約1,900社あり、大物主(おおものぬし)が祭神として祀られています。総本社は、香川県の金刀比羅宮で「こんぴらさん」と呼ばれ親しまれています。元は神社がある象頭山の神をお祀りすることでした。古くから象頭山は瀬戸内海航行の目印とされ、航海安全の神として信仰されるようになりました。
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まとめ
本記事では、「全国にある神社の種類や特徴、それぞれの神社の数」についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
神社を社号によって分類すると6種類、祭神によって分類すると約8万8千社もあり、全国各地に多くの分社の神社があることがわかりましたね!
神社の種類や違いを知ることで、今までお参りしていた神社を別な視点で訪れることができるため、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。ぜひ、今回の記事を参考に各地の神社を訪れてみて下さい。
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