神社に行かれる目的は参拝や御朱印集め、パワースポット巡りなどが一般的ですよね。
しかし、悪いことが続いていたり、その年が前厄・本厄・後厄の「厄年」だったりすると、神社へ「お祓い(厄払い)」に行く人もいることでしょう。また、お祓いにはいくつかの種類に分けられるので知識として知っておくと役立ちます。
本記事では、【お祓いの種類と、お祓いで有名な神社4選】について紹介します。
神社へお祓いに行くときの参考にしてみてください。
お祓い:神前の前で行われる祈祷
お祓いとは?
そもそもお祓いとは、神道による、祓(はらえ・はらい)とよばれる宗教行為。天津罪や国津罪といわれる罪や穢れ、災厄などの不浄を心身から取り除くための神事であり、呪術といわれています。
一般的に、神前で行われる祈祷のことをお祓いといい、神社が頒布する災厄除けの神札とよばれるお札もお祓いに入ります。
天津罪とは、古事記や日本書紀に記されている須佐之男命が高天原で犯した行為。
国津罪とは、血の穢れを起こす行為といわれており、身体的異常による穢れや、反社会的な性的関係や天災、他者の生命や財産を損なう呪いを罪として規定しているそうです。
お祓いは、神事において禊や斎戒のあとに行われる極めて重要な意義を持つ浄化の儀式とされており、お祓いの意義は、神様を迎えて交流するための準備として、罪穢れもない清浄な空間をつくりあげることにあるそう。
そして、罪穢れについては神事に臨むものだけでなく、この世界のあらゆる罪穢れを徹底的に祓い浄めて、浄明正直である「明き浄き正しき直き」の境地を求める姿勢こそが神道の根本思想とされています。
このように、神道の根本思想に直接関わることなので、お祓いの意義は極めて大きく、お祓いのない神道祭式は存在しないといわれています。
禊とは、罪や穢れを落として自らを清らかにすることを目的とした神道における水浴行為のことです。不浄を取り除く行為である祓(はらえ)の一種とされており、日本神話の伊弉諾命が、水で心身を清めたことに由来しているそう。
斎戒とは、物忌みと同じといわれており、ある期間の間、ある種の日常的な行為をひかえて穢れを避けることをいいます。
お祓いの種類について
神社内で行われる代表的なお祓いの種類
厄祓い
災厄を避けて今後の人生を無事安泰に過ごすために願うご祈祷のことを厄祓いといいます。
厄祓いといえば、前厄・本厄・後厄の厄年にされることが多いですが、毎日の生活の中で少しずつ溜まっていく厄(日常厄)を祓うということで、厄年以外にも行われる場合があります。
神社やお寺などで行われるのが一般的ですが、お祓いの専門家に依頼される人もいます。また、厄を寄せ付けない方法として、厄除けになるものを身につけるという方法もあります。
ご利益としましては、「厄を近づけない」「厄を追い出す」「身代わり」があるのだそう。魔除けのために、お守りを持つというのも同じ考えといわれています。
厄を避ける方法によって、厄除け・厄落としとよばれたり、「厄払い」の字を当てたりします。
病気平癒のご祈祷
現在、病気をされていて、病気が何事もなく早く治るように願うご祈祷のことを病気平癒といいます。
ご本人の代理で、ご家族や知人がご祈祷を受けられることもあります。
その場合、ご祈祷のあとに神社で貰えるお札やお守りなどは、ご本人に渡すようにしましょう。
怪我をされたときは、怪我が早く治るように願う障害平癒というご祈祷もあります。
交通安全のご祈祷
どこかに出かけたいときや仕事に行くときなど、毎日の移動手段にかかすことが出来ないのが車ではないでしょうか?
その車の穢れを祓い、事故もなく安全運転を願うご祈祷のことを交通安全といいます。
車を運転するときに、神様に見守られているという安心感と、自然と安全運転を心掛ける意識にさせて貰えます。
交通安全のご祈祷に行くタイミングは人それぞれで、この日に行くと良いということはありません。
家内安全のご祈祷
いつも、一緒に住んでるご家族が事故に遭わず、または病気に罹らず一年を息災で過ごせますように願うご祈祷のことを家内安全といいます。このご祈祷は、遠方に住んでいるご家族にも当てはまるそう。
「家内安全」の家内は家庭や家族を意味しますが、一家という意味で用いる場合は親族も含まれることを参考にしてみてください。
因みに、独身の人が、病気や事故に遭わないようにご祈祷することを身体健全というそうです。
その年を家族が心穏やかに、恙なく幸せに過ごせますようにと神社へご祈祷に行かれてみてはいかがでしょうか?
神社内で行われるお祓いのその他に、初宮詣り・七五三詣り・合格祈願・安産祈願・必勝祈願・交通安全・新車祓・業務安全・商売繁盛・旅行安全・結婚式などたくさんの祈願があります。
ご祈祷の料金を入れる封筒の上部に初穂料と書きますが、その意味をご存知でしょうか?
初穂とは、日本では古くから秋の稲の収穫に先立って、神様に献上する稲穂のことだそう。初穂料のかわりに、御礼、御玉串料、御神饌料などの記載でも可能です。御布施と記載してはいけません。
初穂料は、婚礼やお宮参りなどの慶事や、お守りなどをいただく際の表書きとして使われます。
因みに、初穂料と同じ意味で玉串料がありますが、こちらは慶事と弔辞のどちらにも使われるそうです。
水引の上に初穂料と記載し、水引の下に奉納者の名前を記載します。
奉納者の名前は、どのような名目で祭祀祈祷のお祓いを受けるかによって変わってきます。
神社外で行われる代表的なお祓い
地鎮祭
地鎮祭とは、地鎮祭ともいわれており、土木や建築などの工事を始める前に行われる儀式のことをいいます。工事が行われる土地の守護神である鎮守神を祀って、土地を利用させてもらうことのお許しを得るためにするのだそう。
儀式を行うのに縁起が良いとされている日は、大安・先勝・友引などの吉日の午前中といわれています。他に、大安・友引・先負の午後の時間帯も良いとされていますが、あくまで縁起が良いといわれている目安なので、都合がつかない場合は調整が可能ですので施工主や神社にご連絡してみてください。
費用の総額は、約10万円から約15万円が平均的な金額といわれていますが、手間やコストを少しでも抑えたい場合は、情報収集をして施工会社との打ち合わせで予算を相談しながら進めていかれると良いでしょう。
一般的には、神様を祀って工事の無事を祈願する儀式と認知されており、安全祈願祭と呼ばれたりします。
他に、鎮地祭・土祭り・地祭り・地祝いともいわれるそうです。
除幕式
除幕式とは、その地域に関係の深い有名人や偉人、名士の功績を世間に知らせて表彰する儀式のことをいいます。銅像や記念碑などを建立し、地域の首長や関係者を集めて、そのお披露目をお祝いします。
銅像や記念碑をあらかじめ布などの幕で覆い隠しておき、お披露目の際に来賓者や関係者らが紐で引っ張り除幕をすることでお祝いします。
神社外で行われるお祓いのその他に、上棟祭・竣工祭・新宅祭・宅神祭・開店、閉所清祓・進水式・開通式・火入れ式・操業安全祭・その他、諸祈願橋の渡り初めがあります。
ご祈祷を受けられましたら、必ずその結果を神様へ報告することで次に繋がっていくというのが神様にお願いをする大事なことです。そして、ご利益を疑わず、信じきり頑張ることが大切です。これは、これからも神様にお助けいただく上でいちばん大事なことです。
お祓いで有名な神社4選
明治神宮
東京都渋谷区神園にある明治神宮は、観光名所で有数の厄払いの箇所があり、神社全体が強力なパワースポットであるといわれています。
ご祭神は明治天皇と、明治天皇の皇后である昭憲皇太后で、明治神宮の創建が内定した当初は明治天皇一柱の予定で、特に明治維新に功績があった臣下の者を合祀することも検討されていました。鎮座地が決定した段階である神社創建前に、崩御した昭憲皇太后も合祀されたそうです。
ご祈祷の種類は、厄祓い・除災招福・心願成就・交通安全・家内安全・身体安全・病気平癒・合格祈願・学業成就・就職成就・方位除・その他です。
厄払いをされる場合、新年の三が日は全国から人々が多く訪れるので、かなり混雑するそう。三が日ほどではありませんが、休日も混雑するそうです。しかし、多くの人が入れる神楽殿でお祓いが行われるので、年末年始を除けば、待つこともなくお祓いができるそうです。
戦国武将の加藤清正が作ったとされる清正井戸や、縁起が良い亀石、ご神木の夫婦楠など多くのパワースポットがあり、見どころ満載の神社です。
代々木八幡宮
「八幡様」と親しまれているお祓いで有名な神社が、東京都渋谷区代々木にある代々木八幡宮です。
ご祭神は応神天皇で、その強力なご神徳から厄除開運・怨霊退散・産業文化の発展守護・交通安全の神様として有名な神様です。1212年に源頼家の近習である近藤三郎是茂の家来、荒井外記智明によって創建されました。
1950年に境内の発掘調査が行われた際に縄文時代の建物跡が発見され、境内に復元された建物があるそう。名称を代々木八万遺跡として渋谷区の史跡に指定されています。
1909年の戦時中、拝殿に向かう参道には、大日本帝国陸軍の代々木練兵場が造られた際に、この地から立ち退くことになった住民らが別れを惜しんで奉納した訣別の碑があります。
ご祈祷の種類は、お宮参り・厄祓い・車祓い(交通安全)・家内安全・商売繁盛・社運隆昌・病気平癒・七五三・成人式・合格祈願・方除・工事安全・結婚式・安産祈願・心願成就・成功祈願などです。
こちらの神社では、願い事のお守り(お守り・知恵守り・心願成就・開運厄除け・仕事守・安産守り・身代わり御守り)と、好きな色のお守り袋(青・黒・赤・白・緑)を組み合わせることができます。
その他に、貼るお守りの御朱印守りという珍しいお守りがあるそう。貼り付ける面に「祓え給へ 清め給へ 守り給へ 幸へ給へ」と書かれており、これを唱えながら軽くこすることで心身共に祓い清めることができるといわれています。
熱田神宮
愛知県名古屋市熱田区神宮に、古くから地元の人達に「熱田さん」とよばれて親しまれている熱田神宮があります。多くの人々が初詣や厄落とし、厄除け祈願に訪れており、観光スポットとしても人気がある神社です。
ご祭神は、熱田大神で、三種の神器の一つである草薙神剣をご神体とする天照大神のことだといわれているそう。相殿神は、天照大神、素戔嗚尊、日本武尊、宮簀媛命、建稲種命の五柱の神様で、草薙神剣に縁が深く、厄除けや魔除けにもご利益が高い神々とされています。
戦国武将で一番有名な織田信長が、桶狭間の戦いの前に必勝祈願に訪れ、勝利をおさめることが出来たとのことで奉納されたのが信長塀です。こちらは、日本三大土塀の一つとされており、一度も壊れていないことから、建築関係や出世運にご利益があるのだそう。
境内には、1000年前後と推定されるご神木があり、その中でも、弘法大師空海がお手植えしたといわれている大楠が有名です。ご神体である草薙神剣の力が宿っているともいわれており、写真を携帯の待ち受けにすると運気が上がるといわれています。
ご祈祷の種類は、安産祈願・初宮詣・初誕生祝い・七五三詣・厄除・災難除・心願成就・車祓いなどです。
その他のおすすめは、魔除け・厄除けの効果があるとされる三ツ鈴があります。
住吉大社
大阪で有名で、地元の人々から「すみよっさん」の通称で親しまれている神社があるのをご存知でしょうか?
全国に約2,300社ある住吉神社の総本社である住吉大社で、山口県下関市の住吉神社と、福岡県福岡市の住吉神社とともに三大住吉の一つに数えられているそうです。
ご祭神は、海の神様で住吉三神といわれている底筒男命、中筒男命、表筒男命と、神功皇后が祀られています。
住吉三神は、黄泉国から帰った伊弉諾尊が海で穢れ祓いのための禊をすると、海の神様といわれるワダツミ三神と住吉三神の神様が誕生されたそう。神功皇后は、後に合祀された神様で、住吉大社に奉仕していた巫女がまつられる神様に発展し、住吉三神共同の妻神として神功皇后の伝説がつくられるとともに、神功皇后が祀られたそうです。
ご祈祷の種類は、家内安全・厄年・歳祝・開運招福・身体健全・心願成就・清祓・病気平癒・忌明清祓・初誕生報告・神恩感謝(御礼参り)・良縁・試験合格・学業成就・旅行(渡航)安全・方違・海上安全・大漁豊漁・神棚人形納め・安産・初宮まいり・七五三・十三まいり・成人式・商売繁昌・子宝・命名・車、二輪車のお祓いです。
ご祭神である住吉大神は、神道でもっとも大事な祓の神であり、航海安全の神、和歌の神、農耕・産業の神、弓の神、相撲の神として信仰されてきたそう。住吉大社の夏祭りである住吉祭は「おはらい」とよばれており、大阪はもとより日本中をお祓いする意義があるとされています。
住吉大社の鳥居をくぐると、正面に神池が見えてきます。その神池に反橋という神橋がかけられているそう。こちらは、住吉大社の象徴的な存在といわれており、通称「太鼓橋」とよばれています。
この橋を渡るだけで、「罪や穢れの祓い清めになる」との信仰もあり、多くの参拝者がこの橋を渡り、ご本殿に向かわれるそうです。
住吉大社で最強とされているパワースポットは、住吉三神があらわれたとされる五所御前というところです。住吉大社に行かれた際は、是非ともお立ち寄りください。
こちらの記事もおすすめ✨
まとめ
本記事では【お祓いの種類と、お祓いで有名な神社4選】をご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
私は、お祓いは何となく知ってるくらいの知識量だったので、お祓いの種類や有名な神社のことを調査して知ることが出来て、とても勉強になりました。
お祓いを受けようか考えている人や、お祓いに行こうと思っている人は参考にしてみてください。
コメント