一般的に神社には鳥居があって当たり前ですが、実は、日本には鳥居のない神社も存在します。
「鳥居のない神社とは、どういったものなのか?」「鳥居の代わりになるものがあるのか?」
鳥居がない神社という聞きなれない言葉に疑問がたくさん出てきますよね。
そこで、本記事では【鳥居のない神社4選!鳥居がある本来の意味】について紹介します。
鳥居のない神社とは一体どういうものか、一緒に解き明かしていきましょう。
日本にある鳥居のない神社を紹介
今回紹介する鳥居のない神社は以下の4つです。
- 石原加茂神社(群馬県)
- 宗像神社(千葉県)
- 調神社(埼玉県)
- 栗枝渡神社(徳島県)
それぞれの神社の由来や鳥居がない理由も解説していきます。
石原加茂神社(群馬県)
群馬県にある石原加茂神社は、賀茂県主氏の氏神を祀っている神社。
石原加茂神社の鳥居がない理由は「救命犬之像」の後ろに書かれています。
救命犬之像は例幣使を助けた犬の像で、2006年に建立されました。
例幣使とは、日光東照宮の例祭に派遣された団体のことのことです。
鳥居がない理由は江戸時代に遡ります。
例幣使が賀茂神社で休憩中、一匹の犬が鳥居の上にいる大蛇の危険を知らせるために吠えました。
大蛇がいることに気づかない例幣使はうるさいと怒って吠え続ける犬を切り捨ててしまいます。
しかしその後、例幣使は犬が助けようとしてくれたことに気づき、お礼の意味も込めて犬を供養することにしました。
それから、村では再び鳥居に蛇が現れたため、鳥居を取り除いたと言われています。
宗像神社(千葉県)
千葉県の宗像神社は、宗像三女神を祀った神社です。
宗像三女神のそれぞれの名前は、タキリビメ、タギツヒメ、イチキシマヒメといいます。
治水や水運の神様として信仰がありました。
鳥居がない理由は、鳥居を建てると洪水になるという言い伝えから来ています。
昔、宗像神社の周辺では川が氾濫して水害が多発。
そこで、水害を防ごうと「地神様」を祀る風習が生まれました。
今では灯篭や神様の名前が書かれた石など、当時の風習が街角や道端に残っています。
調神社(埼玉県)
埼玉県にある調神社は、天照大御神・豊宇気姫命・素戔嗚尊を主祭神として祀っている神社です。
鳥居のない理由は、物を運ぶのに邪魔だったから。
そんな理由で神聖な鳥居を取り除いていいの?と驚きですよね。
伊勢神宮斎主だった倭姫命が、伊勢神宮に献上する貢物を納める倉を建てました。
貢物を納めるために建てられた倉が調神社です。
倉まで貢物を運ぶときに鳥居があると邪魔になるため、取り除いたと言われています。
ちなみに調神社は月待信仰があり、境内には兎の像がたくさんあります。
狛犬ならぬ、可愛らしい狛ウサギが参拝客を迎えてくれますよ!
12年に1度の兎年に強力なパワースポットになることでも有名なので、気になる方はぜひ参拝に行ってみてください。
栗枝渡神社(徳島県)
栗枝渡神社は、徳島県の栗枝渡集落にあります。
ご祭神に安徳天皇・誉田別命・天児屋根命が祀られています。
境内にある阿弥陀堂には阿弥陀坐像が安置され、東祖谷の文化財に指定されています。
長い階段を上がった先には大きな杉の大木はあるものの、鳥居はありません。
その理由は、安徳天皇のお墓があるからです。
阿弥陀堂と神社の間に「御火葬場」とよばれる場所があります。
安徳天皇が亡くなり、火葬をした場所です。
亡くなった安徳天皇の遺体を葬った後、栗枝渡八幡神社が建てられました。
鳥居がないのは安徳天皇のお墓があるため、鳥居を立ててはならないという掟を守ってきたからといわれています。
神社の周りの林には入ることはできませんが、林のあちこちに小さな祠や、巨大な木があり、神聖なパワーを感じることができます。
神社にある鳥居の意味とは?
鳥居は、神社において神様がいる神域と人間が住む俗界を区別する結界であり、神域への入り口を示す門です。
天照大神が天岩戸に隠れたとき、八百万の神々が鶏を鳴かせました。
鶏がとまった木が鳥居の起源であるといわれています。
ただ、外国から渡来したという話もあるため、鳥居の起源は諸説あります。
鳥居の赤い色は「魔除けの力」があり、生命力の象徴として考えられています。
穢れを祓い、力をもたらす色として神社で使われるようになったのでしょう。
ただ、白色や金色など赤い鳥居以外も存在します。
鳥居に注目しながら、神社巡りをするのも新しい発見ができてオススメですよ。
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まとめ
【鳥居のない神社4選!鳥居がある本来の意味】について紹介しましたが、いかがでしたか?
鳥居がない理由は洪水や動物、貢物など様々であることが分かりましたね。
また、鳥居の意味を知った上で神社巡りをすると、いつもとはちがう視点で参拝ができるでしょう。
本記事をぜひ参考にして、鳥居のない神社や、鳥居の起源などを意識して散策に出かけてみてください。
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