「氏子って何をする人なの?」「氏子と自治会の仕事の違いって何?」
このように疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
氏子とは神社の氏神様に奉仕する人のことで、主に神職のサポートを行っています。
本記事では【氏子とは何をする人なのか】を仕事内容や氏子になる方法などを合わせて解説していきます。
また、自治会との違いについても説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
氏子とは?
自分の住む地域全体を守ってくれる神様を氏神といい、氏神を祀る一定の範囲内に住む人々を氏子と呼びます。
古代日本において氏神は一族の守り神や祖先の神であり、氏子もお互いに血が繋がっていました。
しかし、近代化により血の繋がりが重視されなくなると、引っ越しなどによって血族が散り散りになってしまいます。
そのため、現在の氏子は血の繋がりではなく、「同じ土地に住んでいる」という繋がりを重視するようになりました。
氏子は神社の近くに住んでいないとなれません。
ちなみに、住んでいる場所から遠い神社を信仰している人は崇敬者といいます。
氏子の役割
氏子の役割をご紹介します。
祭りの運営を手伝う
祭りは神社にとって大切な行事で、氏子はその手伝いをします。
特にリーダーである氏子総代は氏子を取りまとめて、祭りを行うのに必要な計画を練ったり、寄付を集めたりします。
氏子の主な祭りでの仕事はこちら。
- お神輿を担ぐ
- 山車を引く
- 獅子舞の奉納
- 祭囃子の演奏
氏子の仕事は幅広く、注連縄作りや警察との連携なども行う地域があります。
もちろん、祭りの準備と後片付けも氏子の仕事です。
神社のために寄付や清掃を行う
祭りが非日常の仕事だとすれば、日常的な氏子の仕事は清掃です。
神様のいる神社は神聖な空間であり、常に清潔を保つ必要があります。
社の中だけではなく、手水舎や池、参道など掃除しなくてはいけない場所は多くあり、神職だけでは手が回りません。
氏子の人々は定期的に集まって神社の大掃除をし、集めたゴミの処分は氏子総代が行います。
また本殿の修理や新しい道具を買う時の集金も氏子の役割です。
氏子総代になる
氏子総代とは、氏子の中から選ばれた神社の世話人です。
氏子総代は祭りや神社のために神職と協力し、氏子の司令塔を務めます。
仕事は一般の氏子以上に幅広く、神社の運営について会議で話し合ったり、司会進行役を務めたりします。
神社運営に必要な寄付の呼びかけや周辺地域の環境を整えるなども氏子総代の仕事です。
もし氏子総代がいなければ、神社の運営は成り立たないと言われています。
氏子総代の人数は地域や神社によって違います。
現在では、少子化や都市部への人口が集中しているため、氏子総代を務める人が減っています。
氏子になる方法
ここでは氏子になる2つの方法をご紹介します。
自分の住む地域の氏神神社がどの神社かを知りたい場合は、神社庁か近くの神社に問い合わせるといいでしょう。
神社にお参りする
新しい地域に引っ越してきたら、まず自分の住んでいる地域を担当する氏神神社を調べます。
氏神神社が分かったら神社へ行き、お参りするだけで氏子になれます。
その際に特別なことをする必要はありません。
地域によっては、昔から行っている氏子入りの儀式が残っていることもあります。
気になる人は、引っ越し先の風習について調べておくと安心ですね。
お宮参りに行く
お宮参りとは、子どもが生まれてから1ヶ月後に氏神神社へお参りをし、子どもを氏神様に認めてもらうことです。
地域によっては子どもを泣かせたり、額に墨を塗ったりするところもあります。
氏子の団体である「氏子中」に参加して活動に加わりたい場合は、氏神神社の神職か氏子総代に連絡を取りましょう。
氏子を辞める方法
労力やお金の負担が重すぎる、人間関係や生活環境が変わったなどで、氏子を辞めたいと思う人もいるでしょう。
氏子の加入は義務ではないので、辞めたい時は自分の意思で辞めることが可能です。
引っ越しをする
氏神様は特定の地域を守る神様です。
そのため引っ越してしまえば自動的にその地域の氏子ではなくなり、奉仕する必要もなくなります。
氏子の仕事を続けたくない場合は、転居先の氏子制度について調べておきましょう。
届出を提出する
引っ越しをせずに氏子を辞める場合、所属する氏神神社や氏子総代に脱退する意志を記した書類を提出します。
神社にもよりますが、口頭や手紙で伝えるだけでも辞められます。
氏子と自治会の違いとは
自治会とは、自分が暮らす地域を安全で住み心地のいい場所にするために、住民が作る団体のこと。
氏子との違いは以下の通りです。
氏子 | 自治会 | |
所属 | 特定の神社に所属する | 特定の地域に所属する |
目的 | 神社運営の補助 | 地域生活の向上 |
活動内容 | 神社に関すること | 神社以外のことでも活動する |
なお、氏子も自治会も加入するかしないかは自由です。
寄付金を求められることもありますが、無理して支払う必要もありません。
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まとめ
本記事では【氏子とは何をする人なのか】について解説しました。
本来の氏子は同じ一族の人々による集団でしたが、現在は同じ土地に住む人々が協力して氏子を務めています。
氏子や氏子総代の仕事は大変ですが、神社やお祭りの運営に絶対に必要な存在です。
日々の暮らしを守ってくれる氏神様や、神社に関する仕事を受け持ってくれる氏子の人々に感謝を忘れないようにしましょう。
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